今月の一枚・2004年2月

今月の一枚・2004年2月「大陽柱と樹氷(森吉山)」

暦の上では二月は春。二十四節気では「立春」。七十二候では「東風凍を解く」、「蟄虫始めて振るう」など、春の風が吹き冬籠りをしていた虫がごそごそと動き始める時節。となっていますが、みちのくの春は遠く、まして標高の高い山はまだまだ厳しい冬真っ盛りです。秋田の二月はとにかく一年中で一番寒い月。そこで今月は私の撮った写真の中で一番寒かった時の写真を選んでみる事にました。

場所は秋田県森吉山中。(ここは山頂近くまでゴンドラが通っているのでアプローチがとても楽です。)夕方かなり気温が下がってきました。どのくらいの気温だったんでしょうか?とにかく寒いを通り越して痛いほどの寒さだった事を覚えています。取り替えたばかりのカメラのバッテリーが動かなくなりかけ、ホカロンを使い懐で暖めながらようやく何枚かシャッターを切ったうちの一枚です。

この時、太陽からひときわ強い光が柱状に伸びていました。あとで調べてみてわかったんですが、これは空気中の水分が凍りつきダイヤモンドダストが現れ、そこに太陽が反射して柱のようになって見える「大陽柱=サンピラー」と呼ばれる非常に珍しい現象だったのです。
撮影後すっかり日は落ちてしまい、山には自分独りぼっち!でも不思議な事に恐怖感はまったくなく、雪明かりのスキー場を撮影の満足感を噛み締めながら下山してきたことを思い出します。

(※この写真は、2004年の北都銀行のカレンダー1〜2月に使用されています。)